史上最高額の不正流出事件で一躍有名になった仮想通貨のNEM(ネム)とはいったいなんなのかを解説。
コインチェックで仮想通貨史で未曽有の惨劇
大手仮想通貨取引所のコインチェック(東京都渋谷区)が、2018年1月26日早朝、外部から不正なアクセスを受け、顧客から預かっていた仮想通貨「NEM(ネム)」約580億円分が流出。原因や影響人数については調査中といい、被害者への補償等のメドまったく立たず、ただただ被害者から怒号の嵐です。
仮想通貨界に激震が!コインチェックで580億円相当の不正流出 - NAVER まとめ
公式発表でも、被害が出てることは公表していますし、原因究明に当たってるとは書いてますが、どうにも淡々としていて、危機感が薄いと、資産を預けていた顧客からは怒りの声のようですね。
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「コインチェック」 不正アクセスで約580億円流出(18/01/27)
そんな今回の事件で取り沙汰された、不正流出事件の対象になった、世間ではやや珍しい、NEM(ネム)とはいったい?
NEM(ネム)とは
仮想通貨名 NEM
読み方 ネム
通貨単位名(ネイティブ通貨) XEM
日本初ICOのCOMSAで一気に人気通貨になったNEMのネイティブ通貨XEM(ゼム)。
NEMは2015年3月31日に開始され、Javaで書かれたP2P暗号通貨である 。 NEMは高度に分散化した形になることを目標にしており、重要度証明(POI)アルゴリズムでブロックチェイン技術の新機能を導入した。 NEMには、P2Pセキュアなマルチシグ(多重署名)アカウント、暗号化メッセージングシステム、Eigentrust++評判システムが組み込まれている。 NEMのテクノロジーは、日本の金融機関や民間企業が試験しているプライベートブロックチェーンMijinで使用されている。
NEMは2014年6月25日からオープンアルファテストを開始し、2014年10月20日より長時間にわたる包括的なベータテストを実施した。
出典 NEM (暗号通貨) - Wikipedia
NEMは完全にJavaで書かれた新しいコードベースである。プルーフ・オブ・ワークの代わりにPOI(proof of importance:重要度の証明)アルゴリズムを使用する。 NIS(NEM Infrastructure Server)は、NCC(NEM Community Client)とは独立して動作するクライアントサーバモデルを使用する。
NEMクライアントはオープンソースでGitHubで利用可能であるが 、NEMサーバーベースのコンポーネントであるNISはクローズドソースであり、デコンパイラでどのように動作するかが明らかにならないように、バイナリは難読化されている。
出典 NEM (暗号通貨) - Wikipedia
発行される仮想通貨の単位は「XEM(ゼム)」、総発行量は8,999,999,999XEMで、およそ1,600人の投資家に均等に分けられたのが最初です。
よってビットコインでいうマイニング(採掘)というものがなく新規発行はありません。ネットワーク貢献者への報酬は後述するハーベスティング(収穫)という形で分配されています。
出典 仮想通貨のネム(NEM)/ XEMとは? 概要と最新情報
セキュリティ
NEMは、プラットフォームの不可欠な部分としてmultisig(マルチシグネチャの略)技術を実装している。 multisigの利点は、複数のユーザーがトランザクションに署名する必要があることである。 具体的には、NEMは、 m ≤ n において、n 人中 m 人のmultisigを実装する。 別の言い方をすれば、合計n人の署名者のうちのm人がトランザクションに署名してからブロックチェーンにブロードキャストする必要がある。 NEMのmultisigは、 1つのmultisigアカウントに変わるアカウントに対してm個の口座が完全なトランザクション特権を持つように、チェーン上で契約することによって機能する。 契約メタデータは連鎖しているため、追加の署名者を追加または削除することで簡単に更新できる。
出典 NEM (暗号通貨) - Wikipedia
Multisigは、ウォレットのセキュリティを強化するためのテクノロジである。 Multisigでは、別のユーザがトランザクションをブロックチェーンにブロードキャストする前にトランザクションに署名する必要がある。 つまり、ハックで財布を紛失した場合、別の財布に署名しない限り、お金を使うことはできない。 Multisigはまた、コミュニティで保有する財産を保護するのに役立つ。指定されたユーザーの過半数が、コミュニティで保有する財産からの取引を行う前に同意する必要がある。 これは、例えば、募金活動や他のコミュニティ指向の資金調達のために、1人の不正なコミュニティリーダーが、自分が支配している資金を盗むのを防ぐために役立つ。
出典 NEM (暗号通貨) - Wikipedia
このマルチシグ導入でかなりセキュリティ上がっていたのに、コインチェックでは導入していなかったとして、財団からも利用者からも叩かれる要因になっていましたね。
国内での取り扱いは
今のところ国内でNEMを取り扱っている取引所は、俗に言う三大大手の内の、Zaif、今回の事件を起こしたコインチェックの2社だけの模様です。
それだけに今回の事件のインパクトは大きかったです。
評判