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日本ではどうして国政選挙でネット投票を実施しないの?

足を運ぶのが面倒と、投票率が50%近くまで落ちてきても頑なに実施しないネット投票。メリットだらけなのにいったいなぜ。


ネット投票とは



出典 www.gettyimages.com


日本においては現状すべての国政選挙は選挙権を各有権者自宅に郵送、その投票券を持って投票所に行って、選ぶ候補者に投票する仕組みになっています。
そんな選挙の投票を、ネット上からできる仕組みがネット投票です。

現在のところ、エストニアのように海外で実現している国はありますが、日本国内では国会議員、区会議員など規模の大小を問わず実現していません。


どこからでも投票できて大変便利なのに、ではなぜ実現しないのでしょうか。メリットデメリットと絡めてご説明。


メリット



出典 amanaimages.com


ネット投票にした時のメリットはもちろんはかりしれませんが、いくつかわかりやすいメリットを。


利便性の増加
現状投票所へわざわざ行くのが面倒、というシンプルな理由で投票に行かない若者などは多いです。ネットさえあれば投票できるのでしたらほとんどの若者がスマホを持っている現代では楽に投票ができ、確実に投票率が上がります。


悪天候時などへの配慮
過去に実際ありましたが、選挙当日、台風で投票所へ行くのが厳しい、と足が遠のいてしまい選挙に行く人が減ってしまったり、離島で悪天候のため、投票箱の届けや実施が遅れてしまうなど、天候状況に左右されたことがこれまでも幾度もあり、ネット投票ができれば、少なくとも通信インフラまで全滅するような天変地異以外では十分投票できます。


在外邦人の投票
これまでも在外邦人にも投票券はありましたが、日本大使館に行かなくてはいけないことで、大変ハードルが高く、また日本から離れていることで興味も低く、国内の投票率が50%~60%な中、在外邦人の投票率は20%以下とのことです。
これも国内ほど高くはならないでしょうけど、ネットで投票できるなら少しは改善するはずです。


集計の速さ
今は選挙結果は、まさかの人間による手集計です。そのため、時間はかかるし、読み取りづらい文字などでの集計ミス、そもそもの人為ミスなどもあり、効率的とはとうてい言えません。少なくともネット投票でデータの集計にすれば、締め切り後、一瞬で結果がわかります。


デメリットやネット投票が実現しない理由


ここでは主にこれまで検討の声が上がっても、否定される根拠になったりした、ネット投票でのデメリットや、それを元に実施しない言い訳の数々をご紹介。
ただし、どれも本当の理由にはなりえないので、きちんとおかしい点も指摘していきます。


不正投票ができてしまう
ネットからだと他者も確認できて簡単に他人の投票を操作できる、例えば、横で権力者や仕事での利害関係のある者などが圧力をかけて〇〇に投票しろ、のような票の操作がしやすいとのこと。


これはもっともらしい理由ですが、現状でも、〇〇の組織にいたいなら、〇〇先生に投票しなきゃ、のようにプレッシャーをかけて、不正操作し放題やっているのに、何をいまさら、という感じですよね。
直接的に強制できるから、なんてのを根拠にするなら、今のシステムも投票する時にだけ他人に強要されないだけで、いくらでも圧力かけ放題なのに。
こんなことを理由にあげるのならば現状も、票の操作を厳罰化し、根絶してから言うべきですね。まったく理由にはなりません。


セキュリティの心配
これはネットを使うならもっともですが、それはセキュリティの強化やリカバリ策を考えるべきであって、心配だからやらない、てのはバカ丸出しですよね。ネットで不正アクセス等で票が操作されたらどうするの?って、そんなん今だって、じゃあ投票所の開票作業員が特定の党に買収されていて票を操作されたらどうするの?って話と全く同じですよね。
どんな仕組みでも不正はし放題なんですから、その防止策をできるだけ練ることと、その罰則の強化とかが大事なのであって、やらない理由にはまったくなっていませんよね。


導入コスト・運用コストの問題
これは唯一理解できる懸案事項ですね。不公平なく利用でき、セキュリティも高く、選挙時期の高負荷にも耐え、速度も上々、集計や後日の確認にも便利、みたいな夢のような選挙システムの構築や導入、実際にやるとしたら、莫大なコストと時間がかかるのは容易に想像がつきます。
ゆくゆくはネット投票のみにして、投票所なんて仕組みを廃止すれば、選挙ごとの莫大なコストが浮いて、時間が経てばペイできるとは思いますが、そもそもの、今、この時にじゃあその莫大なコストをねん出していいの?は、まあ国の台所を扱う政治家にしてみれば一番もっともな手が止まる理由ですね。


でも一番の理由は・・・


立案者や決定者が、何か起きた時に責任を取りたくないから。


ただひたすらこれにつきます。ネット投票の実現には、数えきれないほどのメリットがあれど、今はなんとか投票所システムで回っている。それなのにそこに改編を加えた場合、何か起きたら、だから言ったのに、的に確実に反対派に糾弾されます。
場合によっては議員辞職や、今後閑職に追いやられる可能性も。
それが現状にかじりつきたいだけで国民のことなんて何も考えていない政治家たちにとっては痛手なのでなかなか着手しないのです。


ネット投票を望む国民の声も